代表ご挨拶

精緻な解体と全部利用による資源循環で、
サーキュラーエコノミーを切り拓く

 当社は、1920年に官営八幡製鐵所の協力会社として創業した吉川工業株式会社(北九州市八幡東区)が開発した、世界初の自動車リサイクル技術を礎に、2000年2月、北九州エコタウン(若松区)にて創業いたしました。
私たち「WARC」は、自動車リサイクルを通じた地球環境の保全を、経営における最重要課題と位置づけています。創業以来、精緻な解体による資源の回収と再生を通じて、環境と社会に対して高付加価値な資源循環を実現することを使命として歩んでまいりました。
当社が独自に確立した「WARC方式」は、製造の逆工程で車両を分解し、素材ごとに高精度に分別・回収することで、異材混入を最小限に抑えるリサイクル技術です。この方式により得られた鉄スクラップは、日本製鉄株式会社 九州製鉄所 八幡地区において、自動車用薄板鋼板等の原料として使用され、車から車への高品質な水平リサイクルを実現しています。
また、この「全部再資源化」は、従来の破砕方式では困難だったシュレッダーダストの抑制と資源の最大活用を両立する環境負荷の少ない画期的な取り組みであり、2005年施行の自動車リサイクル法において「法第31条 全部再資源化法」として制度化されました。当社はその認定工場として全国で初めての認定を受けています。
私たちは、こうした技術革新に加えて、環境関連法規の遵守、CO₂排出削減、省エネルギー活動、社員への環境教育、地域社会との信頼関係の維持・向上など、環境マネジメントのあらゆる側面において継続的な改善に取り組んでいます。
いま、地球温暖化や資源枯渇といった社会課題が一層深刻化する中で、私たちは「廃棄を前提としないサーキュラーエコノミーの実現」こそが、次代に対する私たちの責任であると考えています。単なる廃車処理にとどまらず、EV・HEVの普及や内装樹脂のリサイクルといった新たな課題にも対応し、再生・再流通の仕組みを構築することで、環境負荷を最小化し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
創業から受け継いできた伝統と誇りを胸に、再資源化を取り巻く環境が急速に変化する現在においても、私たちは業界のパイオニアとして挑戦を続けます。これからも、お客様や地域社会から信頼され、自らも誇りを持てる企業であり続けることを目指してまいります。

代表取締役社長

小山 勝生